こんにちは!渋谷区にあります渋谷動物医療センターです🏥今日は猫ちゃんの包皮低形成の症例をご紹介します。包皮低形成(包茎)とは包皮低形成とは通常包皮口が狭くなるため、包皮を通して陰茎を押し出すことができないことを特徴としています。犬や猫では先天性、または後天性で発生します。後天性であれば過度なグルーミングなどの外傷が最も多いと言われています。(母親のグルーミングや同復子の授乳行動異常など)その他としては下部尿路感染症悪性新生物皮膚炎の後遺症 でも起こり得ます。症状絞扼頻尿包皮の腫れ尿だれ不明瞭な包皮口が確認される などです。治療基本的には外科手術です。参考文献10頭中8頭が手術→7頭が臨床症状の改善+May LR, et al. 2009 Nov-Dec;45(6):277-83. doi: 10.5326/0450277.8頭中8頭で手術→全頭で臨床症状の改善+(手術は全周包皮形成術・包皮尿道瘻術によって行われた)Annemarieke de Vlaming et.al.Am J Vet Res 2019;80:1007–1011 症例猫 雑種7歳5ヶ月 去勢雄【主訴】生後3ヶ月から排尿痛があるとのことで他院を受診し、先天的な包皮の低形成が認められました。それにより、ペニスを包皮から露出することが困難であり、排尿痛もこれにより生じていることが推察されました。手術により、排尿痛は改善しましたが、最近頻尿気味になったとのことで当院を受診されました。そこで当院でも包皮を確認したところ狭窄が認められ、ペニスの露出が困難であることが判明しました。【写真:徒手によりペニスを出そうとするが、包皮から出すことができない】飼い主様と相談し、再度の包皮の外科的な整復を実施することとなりました。【手術】包皮に通常開いている包皮口からアプローチし包皮を腹側方向に切開し、包皮とペニスの癒着をアイリス剪刀で剥離。【写真:包皮からペニスが露出している】ペニスが十分露出することを確認し、癒着を防ぐために包皮粘膜と皮膚を縫合しました。【写真:術後の写真】【経過】術後自身でカテーテルを抜去してしまうことからカテーテル管理はなしとしました。術後数日は排尿痛が認められましたが、その後は普段通り排尿でき、排尿頻度も落ち着いているとのことでした。