こんにちは!渋谷区にあります、渋谷動物医療センターです🏥✨近年、SNSの発達により、わんちゃんの病名も専門的におっしゃる方が増えました。その中でもよく聞くのがパテラ!! 『膝蓋骨内方脱臼』なんて名前よりも『パテラ』の方が飼い主様にも伝わったりします。しかし実際のところどこがどうなってるの?という飼い主様は多いのです。漢字の方が想像はつきやすいですが、長いし覚えにくい。。『うちの子膝蓋骨内方脱臼なのよね〜』よりも『うちの子パテラなのよ〜』の方が簡単!ではそんなパテラについてご紹介していきます。 まずはパテラとはなんぞや・・・?から!漢字の病名の通り、膝蓋骨というお膝のお皿の骨が内方(内側)に脱臼してしまう病気です。症状そうなるとどうなるのか?まず第一に、後脚を上げるこが多いです。(後肢挙上)また、痛みを伴う場合もあります。庇う仕草が見られる場合もあります。(破行)よく外れるこであれば飼い主さまが触っていてもパキパキ鳴っている、触ると外れる感覚があると言われます。グレード分類 そんなパテラにもグレード(重症度)があります。グレード1:基本的にしっかりハマっている 人が手で押すと外れるが自然と戻るグレード2:基本的にハマっている 勝手に外れる時がある 自然と戻らない時もあるグレード3:基本的に脱臼している 人が手で戻すと戻るグレード4:基本的に脱臼している 人が手で戻そうとしても戻らない治療法臨床症状がない、手術困難な基礎疾患などがある場合は保存療法を行います。しかし、基本的な治療は外科手術となります。手術は滑車溝造溝術内側支帯筋のリリース関節胞縫縮術脛骨粗面転移術などがあり、これらを組み合わせて行います。滑車溝造溝術とは、滑車溝を深くすることにより膝蓋骨の動く溝を再建する方法です。以前はウェッジと言って三角形に造溝を行なっていましたが、最近はブロックといって長方形に造溝を行うことが多いです。内側支帯筋のリリースは、アライメントや筋肉の緊張度合いを確認して内側広筋のリリースや縫工筋の一部を切離する方法です。縫工筋と内側広筋は、膝蓋骨を内方に牽引する筋肉です。 大腿内側の筋肉量を調整することにより、内側に向かって膝蓋骨にかかる力を分散させる目的で実施します。 関節胞縫縮は、脱臼を繰り返すことにより伸展した関節胞の一部を切離し膝関節を安定化させる術式です。脛骨粗面転移術は、膝蓋靭帯遠位の付着部である脛骨粗面の一部を切離してキルシュナーワイヤーなどを用いて膝のアライメントが整う位置に転移する術式です。 粗面の切り方や移動の幅によって、膝蓋靭帯の張りや方向を調整します。 基本的には上記の方法をその子の足に合うように組み合わせていきますが、グレード4になると足の変形がひどくなり、骨の幹自体の矯正をする必要がある場合もあります。 たくさん遊んだ時に足をけんけんしている。たまにキャン!と鳴くが、あとはケロッとしている場合もパテラの症状です。その場合は病院で診てもらい、大きな病気がないのかや、パテラの場合、今後どういう治療方針でいくのか先生としっかり相談してみてくださいね。