こんにちは!渋谷区にあります渋谷動物医療センターです🏥🐾今日は犬の歯原性嚢胞の症例をご紹介します。歯原性嚢胞とは?歯原性嚢胞とは顎骨内の疾患であり、通常生えている歯が顎骨に埋まっていることで起こります。症状顎骨病変の多くは慢性経過をたどることが多く、初期には無症状ですが次第に病変部の膨隆顔貌の変化上顎に発生した場合は鼻汁や鼻出血呼吸音の変化 なども見られることがあります。検査レントゲンで偶発的に見つかることもありますが、顎骨に囲まれている場合はCT検査を実施し、診断する場合もあります。また、歯原生嚢胞は腫瘍との鑑別をする必要性があるため、膨隆部の細胞針検査を行います。治療基本的には外科治療です。症例症例です。犬 チャイニーズクレステッドドッグ 15歳6ヶ月 去勢雄基礎疾患:肝不全【写真:下顎の一部が腫れている】他院にて下顎の腫れを主訴に受診し、CT検査を実施。その際に下顎に歯が埋まっていることが判明しました。腫れている腫瘤に針を刺し膿が出てきたため培養の検査を出していました。CT画像【CT画像:ピンクに囲まれている場所が嚢胞その左の白い部分が顎骨に囲まれている埋伏歯】培養検査結果は陰性でした。年齢のこともあり、麻酔・外科処置を飼い主さまが迷われていたため定期的に針を刺し膿を出す処置をしていましたが、徐々に針を刺すことに対して抵抗が出てきたため外科手術を実施することとなりました。【レントゲン:当院で撮影したレントゲンピンクが腫れている箇所 緑が埋伏歯】治療【写真:下顎の腫れ】【写真:切開を加え、掘っていくと埋伏歯が見える】【写真:埋伏歯と嚢胞】【写真:術後の外貌】経過術後1週間後の診察時も傷は綺麗であり腫れも全くなく経過は良好です。