モルモットの角膜損傷モルモットの目の病気で、代表的なものはなんといっても目の表面の傷です!これは基本的に外傷や異物の混入で起こります。『異物の混入?』と思われる方も多いと思いますが、まさしく異物の混入で目の表面に傷ができてしまったモルモットさんを診察しましたので、ご紹介します。症状目の表面が傷ついた場合、目を閉じている開けづらそう涙が多い目脂が増えた充血している黒目が白く濁っているなどの症状が出ます。検査検査では目の一般的な検査を行いますが、モルモットの目は小さく、犬猫に比べて詳細は眼科検査は困難であることが大半です。目の一般的な検査では眼圧や目の奥に問題がないかを検査します。目の表面に傷があるかどうかはフルオレセイン染色という検査を実施します。傷がある場合は目の表面に蛍光緑に染まる領域が確認できます。もし感染などが疑われる場合は涙や目脂のPCR検査や顕微鏡の検査を行う場合もあります。治療目の表面の傷が異物の混入であった場合は異物を取ることが第一です。生理食塩水などでしっかりと目の洗浄することで異物を出し、その後、抗生剤や目の表面を保護する目薬を指し治療を行います。実際の症例今回ご紹介するのは、1歳9ヶ月のメスのモルモットです。『3日前から左目が開けづらそうで、昨日から黒目が白く濁っているような気がする。』と当院に来院されました。眼科検査を実施したところ、フルオレセイン染色で緑に染まる角膜の傷が確認されました。【写真:目の表面に傷があると、緑に染まる領域が確認できる】生理食塩水で洗浄したところ、瞼の裏から牧草が出てきました。【写真:瞼の裏から出てきた牧草】治療は抗生剤とヒアルロン酸点眼を実施してもらうこととなりました。まとめこのようにモルモットをはじめ、小さい動物さんたちは牧草などの異物が混入してしまうことがあります。目の表面の傷は治療が早ければ早いほど治りも早く、遅ければ感染や、傷の跡が残ってしまうこともあります、最悪の場合は失明のリスクもありますので、すぐに病院へ相談してくださいね。