うさぎの子宮の病気はさまざまで、メスが血尿をしたら9割は子宮の病気を疑え!と言われる程です。もちろんうさぎの尿は正常でも赤っぽく見えることもあり注意が必要ですので、しっかりと検査をして本当に血尿かを確認しましょう。今回は子宮疾患である海綿状血管種と、子宮腺癌になる可能性がある子宮内膜過形成について解説します。海綿状血管腫とは?海綿状血管種とは静脈の奇形を指します。通常1本、まっすぐな血管ですが、そのまっすぐな血管が途中でとぐろを巻いている状態です。大きくなると、複数の血管が絡み合った状態になります。良性腫瘍ですので、問題がなければ経過を見ていくこともあります。痛みが生じる場合は摘出します。子宮内膜過形成とは?子宮内膜過形成は病名ではなく子宮の内側が分厚くなっている状態のことを指します。これは女性ホルモン依存性と言われており、子宮内膜過形成から子宮腺癌が発生することがあるため注意が必要です。症例ロップイヤー3歳 メス避妊手術のご相談で来院されました。既往歴:皮膚真菌症避妊手術により、子宮に小さな赤いしこりが確認されました。【写真:摘んでいるところが赤いしこり部分】そのため、飼い主様にご説明のうえ、病理検査に検体を提出しました。結果:海綿状血管腫 子宮内膜過形成とのことでした。まとめ中高齢のうさぎは子宮疾患が多いことでも有名です。また、ホルモン依存性に乳腺癌にもなりやすいことから、メスは避妊手術(卵巣子宮摘出)によりこれらを予防することができます。うさぎは麻酔によるリスクが比較的高い動物種ですが、予防できる疾患と比較し、実施すべきかどうかを獣医師とよくご相談ください。