こんにちは!渋谷区にあります渋谷動物医療センターです🏥今日は猫ちゃんの会陰尿道瘻の症例をご紹介します。会陰尿道瘻とは?雄猫は解剖学的に遠位尿道(陰茎部尿道)が細いため、尿路結石が詰まり、排尿障害を起こすことが多いと言われています。結石や尿道閉塞を繰り返す雄猫の外科的救済処置として、遠位尿道瘻術が行われています。この手術をすることにより、通常の雄猫の尿道では通らないような外径約2.7mmのカテーテルもスムーズに入れることができます。(通常の雄猫の尿道は1.0~1.3mm程度)術式術方法にはWilson &Harrison 法と包皮筒利用法があります。Wilson &Harrison 法基本的な主義で実施可能です。露出する粘膜を保護するためエリザベスカラーの装着が必須です。包皮筒利用法こちらの手技は少し煩雑です。しかし、自己の包皮を使用するため見た目も術前とほぼ変わりありません。症例猫 スコティッシュフォールド8歳 去勢雄2日前に尿が出ておらず、他院を受診されました。その際に結晶による尿道の詰まりが認められたため、カテーテルを用いて尿道閉塞を解除。その日の血液検査で腎数値の上昇が認められ、手術の検討を促されました。後日、セカンドオピニオンで当院を受診されました。【レントゲン:ピンクが腎臓結石 緑が尿道結石】その後、当院での手術を希望されたため、当院で会陰尿道瘻の手術を行いました。手術今回はWilson &Harrison 法を用いて手術を実施しました。【写真:術中 皮膚切開し、尿道まで進んでいく】【写真:露出した尿道】【写真:尿道に切開を加える】【写真:術後8Frのカテーテルもスムーズに入る】手術は無事に終了し、退院となりました。経過その後の経過です。【写真:現在の外貌】毛も生え以前の外貌とさほど変わりはありません。何度も閉塞していた尿道の詰まりも今はなく、快適に生活してくれています。