こんにちは!渋谷動物医療センターです🏥今日はウサギさんの 『破行』 についてご紹介します。症例症例です。ネザーランドドワーフ 7歳 メス今年の5月ごろから左前肢の挙上が認められ他院でレントゲン撮影をしましたが、原因不明と言われ23.6.27 当院に来院されました。当院でも左前肢の挙上は認められ、レントゲンにて軟部組織の腫れが確認できました。【レントゲン画像:明らかな左右差はない】骨は明らかな異常は認められないものの、本人の状態や、軟部組織の腫れから 『亜脱臼』と仮診断いたしました。痛み止めの内服薬などの投薬も難しく、食欲の低下も認められました。23.8.9痛みのコントロールが難しいとのことで、再度レントゲン撮影を実施したところ、明らかな骨融解像と軟部組織の腫れの悪化が確認されました。【レントゲン画像:明らかな関節の腫れと骨の変形が認められる】組織生検も提案しましたが、その場合は麻酔が2回になり、うさぎさんの麻酔リスクが高いことを考慮した結果、麻酔1回で診断がつく左前肢の断脚を実施することとしました。治療【写真:手術後すぐのお写真】【写真:断脚した前肢】結果【画像:病理検査結果】病理検査の結果は慢性骨髄炎、骨周囲炎、骨炎、慢性関節炎という結果でした。肩甲骨付近にも慢性骨炎、骨周囲炎がありました。しかしウサギさんのこういった報告、文献などはなく、治療方法も決まっていません。痛み止めのお薬を飲んでいましたが食欲の低下などは続き、飼い主様と相談の上ステロイドの使用を試みました。 ステロイドの使用により食欲は徐々に改善していき、活動性もやや上昇しております。今後はステロイドの容量などは可能な限り減らしつつ、様子を見ていく予定です。 今回の症例は病理の先生にもお話しを伺い、自己免疫の可能性は低いとのことですが、ウサギの骨代謝は未だ未解明であることからその子に合わせた治療を実施してまいります。 ウサギさんの破行で何か困ったことがあれば当院へご相談ください。