こんにちは!渋谷区にあります渋谷動物医療センターです🏥今日はシマリスさんの尿道閉塞のお話をします。尿道閉塞とは尿道閉塞は細菌性の膀胱炎や膀胱結石、または腫瘍などが、おしっこの出口である尿道を塞ぐことで起こります。当院への来院理由昨日の夜から元気がない、食欲もないとのことで来院されました。問診ではおしっこは出ていると思う。とのことでしたが、お腹を触ってみると1−1.5cmくらいの硬いものがさわれます。80gのシマリスさんであればそれがどれだけ大きいしこりかがわかります。状態が悪いシマリスさんであれば検査で体力が奪われてしまうこともあります。迅速でかつ丁寧に検査を進めていきます。検査・処置レントゲンで、お腹の中にやはりしこりじょうのものが認められました。早速その部分に超音波を当てます。するとそのしこりの部分は膀胱でした。お腹の中に腹水まで溜まっている様子でした。第一に改善すべきことは、おしっこが膀胱にパンパンに溜まっていることです。そのため、尿道にカテーテルを挿入し膀胱まで到達させました。栓になっているものを取り除くことができればカテーテルはスムーズに入り、排尿を促すことができました。尿の検査では尿に出が混ざっていること、細菌があること、結晶があることがわかりました。おそらく腹水はおしっこが出ないことにより、膀胱や腎臓がパンパンになることで、腹水として漏れ出たのだろうと考えられました。✳︎ただし腹水の原因としては腹腔内出血低アルブミン腸穿孔(腸に穴が開いている状態)尿管が裂けている なども考えられます。ただ、今の状況でお腹に針を刺して腹水を検査することはかなり危険と判断し、本日の処置は尿道の詰まりをとる排尿させる点滴をし、循環を良くする膀胱炎の治療 のみとしました。結果体の中に3ccの尿が入っていました。それは50kgの人で約2kgの尿が溜まっていたことになります。かなり苦しく、腎臓にも負担がかかっていたと推察されます。経過次の日には活動性も食欲もまし、この子は自分で陰部を気にするそぶりもなく、明らかな腫れなども認められなかったためもう一度点滴し、あとは内服薬で経過を見ました。一週間後には尿もれも改善傾向であり、内服薬の強度を落として様子を見ています。