今日はモルモットさんの代表的な病気で、食欲不振の原因でもある消化管うっ滞について、症例を交えてご紹介します。症状食欲低下運動低下糞の小型化糞量の低下腹部膨満 などが挙げられます。原因原因は多くの場合不明であることが多いですが、要因の一つとしてストレス(気温差や騒音など)歯科疾患繊維の少ない食べ物 などがあります。治療原因の治療が最優先となります。特段原因がない場合は、胃腸を動かす治療を行います。軽度の場合は内服薬、中等度の場合は皮下点滴を実施します。重度の場合はガスの異常発酵が起こり、鼓腸症と言われる病態に陥ります。症例1モルモット 雄3歳5ヶ月夕方から元気がなく、食欲もイマイチで水も飲まない。お腹が張っている気がするとのことで来院されました。 検査身体検査では歯牙疾患認めませんでした。レントゲン検査では盲腸でのガス貯留が顕著であると確認され、重度の盲腸鼓腸症と診断しました。【レントゲン:腹腔内の黒く抜けているところは全てガス】治療皮下の点滴、注射を実施し連日通院としました。経過次の日には調子もかなり良いとのことで内服薬を処方し治療終了としました。症例2モルモット雌4歳4ヶ月一昨日の朝から食欲がなく、下痢だった。昨日の夜から食欲なく便も出ない、元気がないとのことでご来院されました。検査身体検査にて口腔内疾患は否定的でした。レントゲンの検査で胃拡張が確認されました。【レントゲン:重度に拡張した胃が確認される】治療症状が続いていること、胃拡張が重度であったため皮下点滴、注射を実施しました。経過自宅への帰宅後亡くなったとのことでした。上記の2症例からも分かるように、似たようなレントゲン画像でもその症状や迎える転機は様々です。モルモットさんの食欲不振は致命的であることが少なくないため早めの受診をお願いいたします。