こんにちは!渋谷にあります、渋谷動物医療センターです🏥今日はミニチュアダックスフントの胸腰部椎間板ヘルニアの症例を紹介します。椎間板ヘルニア椎間板はHansenⅠ型とHansenⅡ型に分けられます。HansenⅠ型はダックス種に多く、軟骨様変性に伴う椎間板の弾力低下に伴い変性した髄核が脱出することで急性発症を起こします。HansenⅡ型は加齢性の変化で慢性的に起こり、様々な犬種で発症し得ます。症状ヘルニアを起こす場所によって症状は様々です。頸部の場合は知覚過敏筋緊張頸部下垂抱っこすると鳴く四肢の歩様・感覚異常横臥 など胸腰部の場合は活動性の低下後肢の歩様異常・感覚異常犬座姿勢 など分類胸腰部の場合、グレードはⅠ〜Ⅴに分類されます。グレードⅠ:背部痛のみが認められるグレードⅡ:両後肢で起立歩行が可能だが不全麻痺があるグレードⅢ:両後肢での起立不可能で不全麻痺があるグレードⅣ:両後肢の完全麻痺(深部痛覚あり)グレードⅤ:両後肢の完全麻痺(深部痛覚なし)診断椎間板ヘルニアの診断には触診やレントゲン検査(脊髄造影検査)、MRI検査がある。症例カニヘンダックス 6歳 去勢雄6.8kg 昨日散歩を嫌がるそぶりがあり、抱っこをした際にキャンと鳴いたとのこと。その後から後肢を引きずるそぶりがあり、近くのホームドクターを受診しました。椎間板ヘルニアを疑い、MRIの撮影を勧められ撮影したところ、椎間板ヘルニアと診断を受けました。ホームドクターではすぐに対応が難しいとのことで、当院を受診する運びとなりました。当院の診察時には両後肢ともに浅部痛覚がありましたが随意運動(自分で思い通りに動かすこと)はできないため、椎間板ヘルニアのグレードⅢと診断しました。治療飼い主様と相談の上、その日はそのままお預かりになり、次の日手術の運びとなりました。【写真:手術中の写真】【写真:摘出した椎間板物質】脊髄を圧迫していた椎間板物質を摘出し、手術は終了しました。経過【写真:術後1日目の写真】術後1日目ではまだ左後ろ足をうまく動かすことができず、肉球が見える状態で前進する様子が窺えました。また、右の後ろ足も踏ん張りが効かず腰を上げることができませんでした。【写真:術後4日目の様子】術後4日目には後ろ足で起立することができるようになり、踏ん張りが効くようになりました。徐々に後脚を使用して歩いてくれました。退院後の家での様子も問題なく、一週間後の抜糸までは家でリハビリをしてもらう予定です。