こんにちは!渋谷区にあります渋谷動物医療センターです🐾今日はうさぎさんの血尿(子宮)の症例をご紹介します。子宮平滑筋肉腫とは?ウサギさんのおしっこは人のような淡黄色から濃い黄色、オレンジ色からやや褐色までさまざまです。普段見ているおしっこの色とは明らかに違う赤いおしっこが出てきたら。。。びっくりしますよね? 疫学最近の報告では4歳以上のメスのウサギの半数以上は子宮疾患があるという報告が出ました。昨今ではウサギさんも避妊手術や去勢手術を行います。最適な期間は今のところ半年から1歳くらいの間とされています。もちろんウサギさんはワンちゃん、猫ちゃんよりも麻酔のリスクが高いと言われ、実際には100頭に1頭程度の割合で麻酔による死亡報告があります。(手術などをしていなくても)それはおそらく、捕食される側の動物であるため、ストレスに異常に弱いというのが理由だと考えます。症状上記にもありますように、血尿が初期症状です。悪性腫瘍であった場合は転移する可能性もあり、転移場所により症状は異なります。 治療子宮疾患であれば、診断を得るために子宮卵巣摘出を行います。症例症例です。うさぎ ネザーランドドワーフ8歳 メス既往歴:臼歯過長による食欲不振数日前から血尿が出るとのことで来院されました。今は頻度は多い時よりは落ち着いているとのことでした。検査レントゲン検査では下腹部に石灰化した領域が確認できました。【レントゲン:ピンク円が石灰化領域】超音波上で明らかな子宮のしこりが確認されました。【超音波:画像中央に大きな腫瘤が確認される】その他血液検査では大きな異常は見つかりませんでした。治療子宮卵巣摘出を実施しました。【写真:腹壁を切開するとすぐに子宮が確認された】【写真:卵巣の血管、靭帯を処理している】【写真:緑円が子宮の腫瘤】結果平滑筋肉腫今後病理検査の結果、完全摘出だったため今後は定期的なフォローアップをおこなってまいります。4歳以上のメスのウサギの半数が子宮疾患(がん)になるとすると避妊手術はその予防には最適です。もちろん血尿で子宮のがんを疑って子宮摘出の手術を行いうと、子宮内膜炎だった。という結果になる子もいます。ただ、内膜炎も癌のリスク因子になりますので、そのこが手術をせずに生活していた場合はがん化する可能性もあります。ウサギさんの子宮の癌は早期に摘出できれば転移は少ないという報告もあります。(健診は必須) もし、血尿やおしっこが出にくそう、おしっこの量が少ない、血の塊のようなものが出ている などありましたらすぐにご相談ください。