こんにちは!渋谷区にあります渋谷動物医療センターです!今日は子宮蓄膿症の症例をご紹介します。子宮蓄膿症子宮蓄膿症とは、名前の通り子宮に膿がたまる病気です。原因は主に細菌(大部分は大腸菌)が外陰部から感染することによります。ヒート(排卵)後は特に感染しやすいと言われています。この疾患は多くのこが中高齢で発症しますが、若齢の子でも起こりえます。診断診断には臨床症状、画像検査でほぼ診断可能です。レントゲン検査では下腹部に膀胱とは異なる占拠性病変が認められますし、超音波検査でも子宮内に低エコー性のものが確認できます。(液体貯留)また外陰部から膿が出ている子もいます。 血液検査では今の体の重症度を見るのに必要です。重度の最近感染が体内で起こっていますので、敗血症やDIC(播種性血管内凝固)が起こっていないかがわかります。また菌の毒素により、各臓器にダメージが起こることも多々あります。上記のように、子宮蓄膿症はただ子宮に膿が溜まっているというだけの病気ではなく、全身疾患になり得る病気になります。症例ヨークシャテリア 10歳 未避妊メス1.76kg他院にて子宮蓄膿症と診断されたが、体も小さく手術はできないと言われたとのことで本院に来院されました。レントゲン検査でも、下腹にX線不透過性の占拠性病変が確認され、超音波検査では子宮内に流動性のある、低エコー性物が認められました。【レントゲン:下腹に不透過性の占拠性病変が認められる】【超音波画像:袋状の中に黒っぽい液体状のものが見える】飼い主様とご相談し、当日手術を実施しました。治療手術の写真です。【写真:膿が溜まった子宮】子宮はかなり張っており、子宮の中は膿で満たされていました。【写真:手術中の写真】子宮を摘出後は腹腔内を生理食塩水で洗浄し、閉腹しました。【写真:摘出した子宮・卵巣】その後抗生物質を使用しながら、全身状態に注意していきます。子宮蓄膿症は避妊手術をすることにより、防ぐことができます。もちろん、さまざまな理由があって避妊手術を選択しない場合もあると思います。何事もメリット、デメリットをよく理解した上で判断して行くことが大事だと思います。避妊手術のご相談、外陰部から膿が出ているなど、何かありましたらご相談ください。