こんにちは、渋谷動物医療センターです。ここ最近「海外へペットを連れて旅行に行きたい」「海外で家族になったペットを日本に連れてきたい」というご相談を多くいただきます。その際にはペット(犬猫)を連れて日本に入国するための事前準備が必要です。しかし、日本の検疫制度は世界でもトップクラスに厳格です。準備に不備があると、空港で最長180日間も離れ離れ(係留)になってしまう恐れがあります。今回は、農林水産省の最新ガイドラインに基づき、失敗しないための手続きのポイントを詳しく解説します。最低でも「7ヶ月前」からスタート!海外から犬猫を連れて日本に入国するためには、以下のステップを順番通りに行う必要があります。順番を間違えると、最初からやり直しになることもあるため注意が必要です。尚、こちらは「指定地域以外」から輸入する場合の手続きの内容を紹介しています。「指定地域」からの輸入に関しては手続きの内容が異なりますので注意してください。※指定地域とは アイスランド、オーストラリア、ニュージーランド、フィジー諸島、ハワイ、グアムの6地域のみ① マイクロチップの埋め込み(個体識別)既にマイクロチップが埋め込まれている場合はマイクロチップリーダーで読み取れるかを病院で確認します。もしマイクロチップが埋め込まれていない場合は、ISO規格(11784及び11785)に適合したものを当院で埋め込みます。こちらは1回目の狂犬病の予防接種と同日に行うことができます。もしこれ以外の規格のマイクロチップを装着している場合は、事前に到着予定の空海港の動物検疫所に相談してください。② 狂犬病の予防注射(2回以上)マイクロチップ装着後に狂犬病の予防接種を2回以上行います。1回目: 生後91日齢以降(生まれた日を0日とする)2回目: 1回目から30日以上の間隔を空ける(接種日を0日とする) 1回目の予防注射の有効免疫期間内に接種する※有効免疫機関とは、犬猫の体内で免疫が持続する期間であり、製品の使用期限とは異なります種類: 不活化ワクチンまたは組換えワクチンであること(生ワクチンは認められません)。③ 狂犬病抗体検査2回目の予防注射の接種後、動物病院で採血を行います。検査機関: 農林水産大臣が指定する検査施設で行います基準値: 0.5 IU/mL以上が必要です。有効期間: 採血日から2年間。この期間を過ぎると再検査が必要です。④ 180日間の輸出前待機(★最重要ポイント)採血をした日(=0日目)から、日本到着まで180日間以上待機しなければなりません。また、「狂犬病予防注射の有効免疫期間」及び「狂犬病抗体検査の有効期間(採血日から2年間)」内に日本に到着する必要があります。注意: 180日以上待たずに日本に到着すると、不足日数分、動物検疫所の係留施設に預けることになります(費用は飼い主様負担)。180日間の待期期間が必要な理由は、予防注射により免疫を獲得するより前に狂犬病に感染していないことを確認するためです。⑤ 到着40日前までの事前届出日本に到着する日の40日前までに、到着予定の空海港を管轄する動物検疫所へ「届出書」を送付します。受理されると「届出受理書」が発行されます。こちらは航空機への搭乗手続きの際に提示を求められることがありますので、大切に保管してください。⑥ 出国直前の臨床検査出国直前(原則として出国の10日以内)に、現地の獣医師による健康診断を受け、「狂犬病」および「レプトスピラ(犬のみ)」にかかっていない(疑いがない)ことの証明を受けます。⑦ 輸出国政府機関の証明書(Endorsement)の取得現地の獣医師が作成した書類一式を、輸出国の政府機関(農林水産省に相当する部署)に持ち込み、証明書を取得します。注意: この政府証明書がないと、日本での検疫をパスすることができません。⑧輸入検査日本到着後に動物検疫所で輸入検査を行います。検査で問題がない場合は輸入検疫証明書が交付されます。日本の輸入条件を満たしていない場合は、最長180日間の係留検査を受ける必要があります。渋谷動物医療センターから飼い主様へご覧いただいた通り手続きは非常に複雑で、国によっても細かなルールが異なります。「書類の書き方がわからない」「抗体検査のタイミングを相談したい」「出国や帰国が決まったが何から手をつければいいかわからない」そんな時は、お早めに当院へご相談ください。当院では、手続きに必要な予防接種、マイクロチップ装着や抗体検査のサポートを行っております。大切なご家族であるペットが、一日も早く、安全に日本の我が家で過ごせるようお手伝いいたしますので、まずはお気軽にお問い合わせください。参考:農林水産省 動物検疫所 犬、猫の日本への入国について 動物検疫所 輸入手続の手引書(指定地域以外)(PDF)